病気を”遊び心“で乗り越えよ |
座って揺られて血糖値下げる 血圧や心臓に優しい「ジョーバ」 |
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辛くて苦しい「闘病」しなくても 「最初は半信半疑だったのですが、グルコースクランプ法でブドウ糖の筋肉への取り込み量を調べてみると、確かに50%も増えることがわかったわけです」 (九月の日本体力医学会=静岡=で発表予定) つまり、食後に「ジョーバ」に乗ってユサユサと揺られれば血糖値が下がるということが確かめられたわけだ。いままでの辛く苦しい運動とは明らかに違う。 ひょっとしてこれは画期的なことではないのか。 「強い運動というのは長続きしないし、むしろ害がある事もわかってきたわけです」と、さらに佐藤教授は続ける。 「たとえば強い運動というのは、血圧を上げ、心臓発作の危険性を伴ったりします。さらに強い運動というのは、血糖値を上げてしまうこともある」 佐藤教授によれば、糖尿病で怖いのはむしろ合併症の方で、高い血糖値がそのまま放置されることで生じる神経障害、糖尿病性腎症。さらには、糖尿病性網膜症 による失明、壊疽などという取り返しのつかない結果をまねくこともあるという。とくに運動不足と過食がもたらす「2型糖尿病(インスリン非依存性)は日本人 の糖尿病患者全体の約九割を占め、高血圧や心臓病を併発している人も少なくないそうだ。 その点、腰掛けるだけの他動性の運動療法である「ジョーバ」は、血圧を上げることもなく、心臓にも負担がかからない。さらに膝の関節を痛める心配もない という。 何しろ子供の頃に遊園地で乗った遊具のような「遊び心」の感覚なのだ。これなら続けられそうな気がするのは、果たして記者のみだろうか。 |
【医療新報-かわらばん20030520】 |
血糖値が下がるということは、ブドウ糖が筋肉などの細胞中に取り込まれた結果、血液中のブドウ糖量が減ったということを示す。グルコースクランプ法 は、インスリンを持続的に注入した状態で、血糖値を一定に保つようグルコースを追加していく。 つまり、インスリンを入れると血糖値が下がる。その血糖値を一定に保つために今度はブドウ糖を注入する。この状態で運動(ジョーバなど)をすると ブドウ糖は細胞内へと取り込まれ、ブドウ糖の血中濃度は低下する。低下した分だけ新たにブドウ糖を追加するが、この追加されたブドウ糖量はインスリン 感受性を示す指標として数値化できることになる。 |
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