2007年12月1日
 
コラム【待合室】は、
病院の待合室という特殊な空間に身を置いて「医療」を眺めています。
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 ★深刻なやせすぎ ケイタイで体脂肪率や消費カロリーを測定してメタボ撃退といったことが話題になるほどメタボへの関心は高いのだが、その裏で「やせすぎ」が深刻な問題となっている。20〜30代女性の2割が低体重なそうで、「やせた女性がいいとみる世間の風潮、男性の価値観などを変えないといけない」といった声があがっている。骨粗しょう症や無月経、不眠、冷え性、便秘…と日常生活に支障をきたしている。武田ゆかり・女子栄養大学教授が指摘するように、肥満のデメリットに対し、やせすぎへの赤信号発信は確かにすくなすぎるようだ。
   
 ★深刻な豊胸願望 豊胸効果があると、化粧品や健康食品を売っていた通販業者に経済産業省が異例の業務停止命令を出した。「あこがれていた上向きおわん型に」「唯一のコンプレックスを解消できた」などの体験談を紹介していたが、こうした広告の内容は合理的な根拠がないという。それでもなお昨年の売上げは約3億円にもなったというから豊胸願望は根強い。ここでもまた男性の価値観を変えないといけないのだろうか。

 
 ★深刻な薬物使用 ハンク・アーロンを抜いて大リーガーの通算本塁打の記録保持者となったボンズ選手(ジャイアンツ)がステロイド(筋肉増強剤)使用疑惑にからみ偽証罪で起訴された。ドーピングといえば、マリオン・ジョーンズが金メダルを返還したが、2位のエカテリニ・サヌ(ギリシャ)もドーピング処分歴があるので、ハンマー投げの室伏選手のように金メダルの繰上げ受賞が駄目になったというから困ったものである。一方で、これは昨年のことだが、元世界へビー級王者のマイク・タイソンがコカイン使用で逮捕された。マリファナも吸引していたという。つい先ごろは、三田佳子の次男が覚せい剤で3度目の逮捕。母は号泣謝罪した。それにしても27歳にもなった息子になんで月なん10万という小遣いを与えなければならなかったのか。深刻な状況が垣間みえてくる。

 
 ★深刻な高齢医療 11月1日現在、日本は総人口の10%が75歳以上、65歳以上なら21・5%である。それに対応する医療体制だが、治療長期化や複数の病気にかかったりしていることが多い特性を踏まえて「主治医」制の導入などが考えられており、診療報酬体系も検討されているが、どうやら難問続出のようである。

 
 ★深刻な転倒防ぐ 医療機器は日進月歩だ。その一つにまるでSFに登場してくるような、呑み込んで体内を撮影するカプセル内視鏡が登場しようとしている。小腸用はすでに今年の5月から使われている。それに比肩するものが「着るエアバッグ」の開発だ。車の事故防止だけにつかわれるのでは宝の持ち腐れというものである。高齢者が転ぶと大腿骨頚部を骨折しやすく、寝たきりの悲劇に直結してしまうおそれがある。それを防いでくれる画期的なシステムなのである。

 
 
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