2007年11月1日
 
コラム【待合室】は、
病院の待合室という特殊な空間に身を置いて「医療」を眺めています。
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 ★目指せ日赤体質改善 日赤の血液事業がなんと赤字148億円という。年間500万人の献血を用いて輸出用の血液製剤を製造販売しているのだが、国内の献血事業を独占する法人が、一体なんで大赤字に?独占事業に安住して危機感がないのか?血液製剤をつくるときの検査費用の増加などいろいろ言われているが、何といっても事業の効率化が進んでいないのだ。支出の4割を占める人件費の削減などまだまだ体質改善の余地がある。厚労省も赤字のツケを安易に国民に回すといったバカなことはしないように!
   
 ★目を引く国立大美容 国立の神戸大学が附属病院に美容外科を新設した。シワを取り、シミをなくし、豊胸も―というのだから、料金が国立大学だからといって決して安いわけではないのに予約殺到という。「診療だけでなく手術や処置の安全性、リスクと効果など、美容外科に関する適切な情報を社会に提供します」とのこと。「アンチエイジングが主体です」と「若返り」の拠点を目指すと意気軒昂!

 
 ★目に余る中国がん村 中国にはがん患者が多発する地域が点在する。それを「がん村」といっている。工場が汚染物質を垂れ流すのが原因とみられているが、企業側は因果関係を認めず、政府の環境対策もその徹底が難しい状況にあるという。「引越しの金がある人はみんな出て行った」と嘆きの声を耳にする一方で、地方政府の幹部のこんな声も聞こえてくる。アクセルを踏みながら、同時にブレーキを踏めというのは難しい!

 
 ★目に余るダイエット ダイエットの流行と低年齢化が若年層にカルシュウム不足をもたらしている。10代女性の半分はダイエット経験者で、20歳前後の女性の6人に1人は50歳並の骨量しかないという。そうした若い女性を襲うのが続発性無月経という月経異常だ。やがて年をとってくると骨粗鬆症が待ち構えている。問題はそうした人が転んだ時だ。骨折するとそのまま寝たきりになってしまう。対処法としては、背骨と大腿骨をつないでいる大腰筋を鍛える「踏み台昇降運動」などを導入して、何としても寝たきりの悲惨さだけは避けたい。いずれにせよ、無理なダイエットは年齢を超えて怖いものなのだ!

 
 ★目に余るルール違反 大相撲のリンチ死、ボクシングの無軌道な反則、そして五輪メダリストの薬物汚染。どれを取り上げても根は深いが、ここでは前にも本欄で何度かとり上げたドーピングをめぐって。シドニー五輪女子陸上三冠のあのジョーンズ(米、31歳)が「薬物を使った」と告白し、引退を表明した。シドニー五輪前、グラハム・コーチに栄養補助にとすすめられた「油」が、実は「クリア」とよばれる筋肉増強剤だった。その効果をジョーンズは「感覚が変った。より激しい練習が出来るようになり、疲労回復もはやまった」と言う。あの今季大リーグ最多本塁打記録を塗り替えたボンズ(ジャイアンツ)も連邦大陪審に召喚されている。関係者はいう。ジョーンズの次ぎはボンズだ!

 
 
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