2007年10月1日
 
コラム【待合室】は、
病院の待合室という特殊な空間に身を置いて「医療」を眺めています。
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 ★光のあて方次第で… 糖尿病の子が都内や横浜で減っているという現象を浦上達彦・日大医学部講師がまとめた。その“期待を込めた分析”によると、スポーツクラブに通ったり、ジュースを控えたりするなど、都会の子の意識が変ってきたことによるようだ。これを岡田泰助・高知もみのき病院小児科部長は「地方は生活のあらゆる場面で車を使う。通学にも使う親が増えて、歩くのが都会より少ないかもしれない」と指摘する。地方と都市の格差も光の当て方ではこうした側面もクローズアップされてくるという一例か。
   
 ★これも小子化の一面 献血者が29年ぶりに500万人を割り込んだという。この数字は前年より33万人少なく、ピークだった85年の半分強であった。厚労省は当面の輸血や血液製剤の供給に支障はないとしてはいるが、「若者の献血激減で、将来は慢性的に血液が不足する恐れがある」と検討会をつくり、対策を強化するという。

 
 ★妊婦難民を許すな! これは地の果ての出来事ではない。お産の医療現場で悲劇が繰り返されたのだ。昨年8月の奈良県での悲劇の教訓はいかされなかった。今回もその奈良県である。陣痛を訴える妊婦が11病院で拒否され、受け入れ先を探して搬送2時間半の果てに流産してしまったのである。それにしても奈良県は古代の名誉ある表舞台であったところではないか。今やどん底である。あてにならないとすれば―。

 医師を乗せて患者を運ぶ「ドクターヘリ」の導入だ。6月に導入促進の特別措置法は成立している。不安高まる妊婦の搬送にも是非活用したいものだ。

 
 ★歯止めかからぬ中国 食品からおもちゃまで有毒疑惑の渦の中にある「メイド・イン・チャイナ」。製品だけでなく環境汚染もとまらない。北京五輪は大丈夫?と思われているさなか、またまた、とんでもない事件が起こった。在中韓国公使がコンビニのサンドイッチで下痢に苦しみ、病院に駆け込んだが、20分後に息を引き取ったのだ。驚くなかれ、問題の病院の関係者は「幹部外交官だと先に言わないから…」と口にしたと、韓国紙は報じた。事情通の一人はこんなことも言う。「あの国(中国)の病院でキチンとしているのは党や軍の幹部向けの病院だけだ」。

 
 ★働きバチどろんの謎 ミツバチが消える現象がアメリカで広範囲に起きたことは前に触れたことがある。その後、この現象は「群れ崩壊症(CCD)」と名付けられているようだが、研究チームはCCD確認の巣のハチと通常の巣のハチの遺伝子を比べ、このウイルスに感染していることをつきとめた。中国産のロイヤルゼリーでも同じウイルスが検出されたという。そのウイルスの名がなんと「イスラエル急性まひウイルス」。なんの因果か…と思いきや、いやこのウイルスは04年にイスラエルで見つかったから、そう命名されたまでで、なんの意図も思惑もないという。それにしてもシンボリックではある。

 
 
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