2007年4月1日
 
コラム【待合室】は、
病院の待合室という特殊な空間に身を置いて「医療」を眺めています。
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 ★まさか「姥捨て」? 前回「家庭医応援」を、家族や地域の事情に配慮した治療に注目しながら紹介したが、このほど厚労省が公的な「かかりつけ医」制度の検討に入ったというのだ。これはどうか。75歳以上の高齢者向けに、入院から在宅治療への転換を促すというもので、医療費抑制を狙った在宅を基本とした公的な長期療養体制づくりである。公的な体制はきちんと整備していかないと「姥(うば)捨て」の現代版になりかねない。そういったあらぬ被害者意識が生まれてくる可能性はないだろうか。いかが?

 
 ★まさか「捨て子」? 親が手にあまったすえに、新生児を預ける「赤ちゃんポスト」の提案が話題になっている。わが耳をうたがったのは何よりもこのネーミングだ。まるで郵便物扱いではないか。「女は産む機械」発言もそうだが、その表現の根っこには生命の尊厳を自覚しない度し難いものが横たわっているような気がする。一方、これ幸いと快楽の結果をゴミにして捨てるように、この「ポスト」を利用する無責任な者も出てくるのをおそれる。いがが?

 
 ★これは隠れん坊…? ミツバチに「いないいない病」と命名された異常現象が全米各地で起こっている。巣から女王バチを除く大半のハチが突然消えるというのだ。女王のために働きづめなんて、やってられないよと無断退職してしまうのは、すでに19世紀から知られているようだが、今回は前例のない深刻なものという。感染性の病気か、農薬被害か。そのうち「いないいない、バー!」と出てくるんじゃないか、と軽く見ているところからのネーミングかな〜。まさか!

  
 ★熱くなって活発に? W杯ベビー続々というニュースに接した。ドイツで今春は出産ブームの兆しだという。このほど出産した女性は言った。「ドイツが勝って大はしゃぎしていたころに妊娠したわ」。そういえば日本でも、不妊に苦しんでいた夫婦がバリ島旅行にでかけ、バリのダンスに刺激されて妊娠したという例がある。熱狂のW杯も情熱のバリ・ダンスもなんとも粋な贈り物をするものである。

 
 ★似た者同士かな? 日本女性のやせすぎの割合が先進国では断トツなそうだ。スペインでやせすぎファッションモデルが出演を禁じられたというが、なにしろ日本の場合は食べ物の乏しかった敗戦直後より今のほうがやせているというのだ。一方、長寿県の代表だった沖縄がなんと肥満日本一になってしまったというから、これまたビックリ。県はあわてた。肥満はメタボリックシンドロームと密接にからむのだ。厚労省は40歳から74歳で約2千万人もいると見積もっている。インターネット活用の支援も始まろうとしている。身を削る乙女心に半ばあきれ、半ばびっくりしているオジサン。あなたのお腹がでているのは余分な内臓脂肪のせいでは―?色つやのいい顔色は高血圧のせいでは―?
 
 
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