2006年7月1日
 
コラム【待合室】は、
病院の待合室という特殊な空間に身を置いて「医療」を眺めています。
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 ★温泉街に新ビジネス いで湯の里・伊香保が「温泉につかりながら健康診断はいかが」というツアー企画をたてた。中国、韓国、台湾などの富裕層をターゲットにした戦略だ。昨秋、中国の経済団体が企業誘致に訪れた時、たまたま県職員が県立病院を案内したら「設備も枝術もいいのに値段は手ごろ」とうらやましがられたのが、ヒントになったという。この「観光+健診」プランは他の自治体の注目も集めているという。

 
 ★DNAもビジネスに 「観光+健診」が商売になるなら「DNA」だって…。というわけだが、新しい分野だけに、鑑定結果が信頼できるか、企業内で個人情報が厳格に保護されているかなど、外部からわかりにくい部分を透明にしていかねばならない。そんな中でこの4月、財団法人バイオインダストリー協会が初の「適正」1号企業を認定した。これを機に、バイオ技術の急速な発展の流れに乗って、さまざまな企業が参入していくことは確実だ。

 
 ★後発薬は国際競争化 特許きれ成分を使う割安な後発薬が注目されているところだが、インドのメーカーが日本市場に販売攻勢をかけているという。この4月に日本法人を設立したトレンド社はインドで生産した製品を日本の製薬会社を通じて販売する。生産コストは製品によっては日本の半分以下に抑えられるというから日本の製薬会社もおちおちしてはおれないというものだ。

  
 ★HIVワクチン期待 感染拡大が続いているエイズウイルス1型はカメルーン(アフリカ)に生息している野生のチンパンジーが起源であることをアラバマ大学などの研究チームが明らかにした。これは従来の見方を裏付けたもので特に目新しいものではないとはいえ、野生チンパンジーの感染実態はよくわかっていなかった。そこに初めて科学のメスを入れた分析結果が出たのである。ワクチン開発にもつながる可能性が出てきといえよう。

 
 ★人工血液にも期待感 赤血球の代りに酸素を運搬する人工赤血球が開発された。この人工血液は製造段階でウイルスなどを取り除いているので感染症にかかる恐れもないという。来年3月をメドに臨床試験に着手する。人工血液は血液不足の解消に役立ちそうで、世界市場は2千億円との試算も出ている。

 
 ★3兆4千億円の損失 2千億円どころか、こちらは何と3兆4千億円という話。不眠症や睡眠不足による経済損失の試算だが、この途方もない数字を算出したのは内山真・日大教授である。折りしも、W杯サッカーが景気を刺激している最中だが、サッカーのプラスより睡眠不足のマイナスの方が比べものにならないほど大きいというわけか。まさかそんな意図が隠されているとは思えないが…。それにしても驚くべき数字である。

  
 
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