2005年12月1日
 
コラム【待合室】は、
病院の待合室という特殊な空間に身を置いて「医療」を眺めています。
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 ★鳥インフルエンザ この悪魔が「人から人へ感染する力を得て大流行するのは時間の問題」とWHOが警告したのは7日だった。それから9日後には早くも中国衛生省が鳥から人に初感染したことを確認し、うち湖南省の9歳男児ら2人が死亡していると発表した。さあ、きたぞ!新型肺炎SARSの時に情報を隠したと国際社会から非難を浴びた中国はいま情報公開や防止策に懸命だ。だが、あのとてつもなく広い国のこと、何がどうなっているのか?今のところ「鳥から人への感染にとどまり、すぐに新型インフルエンザに結びつくわけではない」と国立感染症研究所はみているが、「人から人へ」は時間の問題となったことは、ほぼ間違いないだろう。一方、治療薬の備蓄は道遠し。予防のためのワクチンはすぐつくれるものではない。不気味な年末である。「新型」が流行すれば世界人口の2〜3割が感染し、経済的打撃は年間8千億ドル(約96兆円)と世界銀行。眼前に世界の緊急課題がせまっている―。

 
 ★エイズも緊急課題 世界のエイズウイルス(HIV)感染者は推計で約4千万人にたっした。今年の新たな感染者は推定490万人。国連合同エイズ計画とWHOは東欧・中央アジアと東アジアで感染者が急増、と警告。感染の広がりに対して規模、スピードともに対応しきれていない厳しい状況に世界は立たされている。そんなさ中、意表をつくニュースが飛び込んできた。3年前、ロンドンの病院で陽性とされた25歳の英国人男性が約1年後に陰性との検査結果がでたことを国民健康保険制度運営の医療機関が確認した。この青年、陽性診断後は複数の栄養補助食品の摂取を始めたが、投薬治療などは受けていないという。医療関係者は彼自身の免疫でウイルスを消滅させた可能性に注目しているというが、さて―。

 
 ★親しみのある愛称を 心臓けいれん救いの神の「AED」を前回とりあげたが、日本語で「自動体外式除細動器」という、と書きながら何やらかた苦しいと感じていた。そんな時、一般の市民も使えるようになったのだから、親しみのある愛称にしてはどうか。そんな動きがでてきた。「救心器」「心臓エイド」「愛ショック」などの案が上がっているという。普及にはなじみ易い呼び名を―。

  
 ★スギ花粉症緩和米 農業生物資源研究所(つくば市)、東大医科学研究所、島根大はスギ花粉症予防に有効な成分を含む遺伝子組み替え米の開発を進めているが、このほどマウスを使った実験で症状をやわらげるメカニズムを解明した。この実験によると、くしゃみや鼻水の原因となるヒスタミンは、3分の1程度に抑えられ、花粉を吸わせた時のくしゃみの数も3分の1程度だったという。この米にはアレルギーの原因となるたんぱく質の一部が入っており、食べることで体を少しずつ慣らし、花粉症をやわらげようとするものであるという。3度の食事で花粉症抑制―。

 
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