待合室
2003年4月25日
 
コラム【待合室】は、
病院の待合室という特殊な空間に身を置いて「医療」を眺めています。
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 ★がまんしないで!! ガンの痛みはがまんしなくていい。薬を上手に使えば、9割の痛みはとれるのに、「モルヒネを飲むようになったらおしまい」と痛みを限界までがまんしようとする患者がいる。その背景にはモルヒネにたいする偏見があるのだ。その偏見を取り除いて少しでも楽にしてあげたい。WHOの指針は「ガン患者は、痛みに対してモルヒネを含めた適切な鎮痛剤で治療される権利があり、医師にはそうする義務がある」としている。痛みをとるためにモルヒネを服用しても中毒になることはないのだ。しかし医師にも「薬に対する十分な知識があるとは言えない」(武田・埼玉医大客員教授)のが現状のようである。
 
 ★がまんできない!? 時速270`で突っ走る新幹線を居眠り運転していたという背筋の凍る前代未聞の事件はいまだに記憶に新しい。この運転士は「睡眠時無呼吸症候群」だったという。こんな病気があったのか?すでに70年代にアメリカで確認された病気という。睡眠時間なのに酸欠で熟睡できないので、日中、強い眠気に襲われるのだという。自分の立場を自覚したら居眠りをがまんしても職務を遂行すべきであろう。その心構えがみえてこないのだ。このような運転士を病人扱いして"無罪放免"にしてはならない。JRもJRだ。病人に運転させていたのである。適性検査では把握出来なかったという。こんなJRにはどんな病名をつけようか?
               ◇
 このとんでもない運転士に比べ、うら若い女優・佐藤藍子さんの仕事に対する心構えには拍手を送りたい。彼女は中学1年の時から花粉症になやんできた。こんな自分を律して懸命になってがまんしてきた。「どんなにつらくても、撮影現場では薬を飲まない。眠くなったり、集中力がとぎれたりするのがいやなんです」。
 
 ★公開しなくても!! ブラジルのサンパウロでクローンエイド社がクローン赤ちゃんの画像を初めて公開した。この赤ちゃんはいま日本の病院におり「3番目のクローン人間で、1月に生まれた日本人の赤ちゃん(男児)」とパソコン画面で説明している。保育器の中の赤ちゃんは目をおおわれて何とも不気味。赤ちゃんのために心が痛んでくるのをとめることが出来ない。ちなみにDNA鑑定などの科学的な裏づけはまだで、疑問をもつ科学者が多いという。
  
 ★後悔しないように!! たばこの煙の中には4千種類もの化学物質が含まれ、うち60種類は発ガン性が指摘されている。害は明白だ。みんな知っている。だから男性の4人に1人、女性の3人に1人は「やめたい」と考えている。ところがその多くはずるずる吸い続けては後悔の日々を送っているはずだ。折りしも7月から、たばこ税の増税だ。これを機に禁煙に踏み切ることをおすすめする。後悔先に立たず、である。
 
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